宮本誠司
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評点Wアップ戦略

 その他の審査項目(社会性等)評点Wの評価項目は次のとおりです。なお、この項目が総合評定値(P)に占める割合は15%です。

評価項目
評点
W1
労働福祉の状況
 

雇用保険加入の有無
−30
健康保険及び厚生年金加入の有無
−30
建設業退職金共済制度加入の有無
15
退職一時金もしくは企業年金制度導入の有無
15
法定外労働災害補償制度加入の有無
15
W2
建設業の営業年数
60
W3
防災活動への貢献の状況(防災協定締結の有無)
15
W4
法令遵守の状況(営業停止処分等の有無)
−30
W5
建設業の経理の状況

監査の受審状況
20
公認会計士等の数
10
W6
研究開発の状況
25
算出式  W=(W1+W2+W3+W4+W5+W6)×10

 
 いかにすれば高い評点を獲得できるか、ポイントを以下にまとめました。ご参照下さい。

戦略1 とにかく法令を遵守する。(労働福祉・法令遵守の状況)
戦略2 福利厚生は手厚く!(労働福祉の状況)
戦略3 休止期間にご用心(建設業の営業年数)
戦略4 意外な盲点!防災協定の締結(防災活動への貢献の状況)
戦略5 事務員さんも頑張って!(建設業の経理に関する状況)
戦略6 これは無理!?(研究開発の状況)



とにかく法令を遵守する(労働福祉・法令遵守の状況)

 その他の審査項目(W)では、法令違反に対して減点評価(なんと各30点!)され、厳しい取扱いがなされます。法令を遵守して、その他の努力を水の泡としないよう注意しましょう。


雇用保険
 
 雇用保険は、労働者を一人でも雇用している事業主(法人・個人を問わない)に加入義務があります。なお、加入していても保険料に未納がある場合には加入していないのと同じ扱いになりますのでご注意下さい。

 なお、次に該当する者は加入できません。

・個人の場合、事業主及び同居の親族
・法人の場合、役員
・親族経営の法人で、その代表者の同居親族(要確認)


健康保険・厚生年金保険

 健康保険及び厚生年金保険は、株式会社・有限会社などの法人(従業員の有無を問わない)と、常時使用する従業員が5人以上の個人事業主に加入義務があります。なお、加入していても保険料に未納がある場合には加入していないのと同じ扱いになりますのでご注意下さい。

なお、次に該当する者は加入できません。

・個人の場合、事業主及び同居の親族(要確認)


法令遵守の状況

 審査対象年度において、建設業法第28条の規定による営業停止処分又は指示処分を受けたことがある場合には減点評価となります。経営規模等評価申請書等への記載は自己申告となりますが、虚偽申請は処分情報がコンピューター登録されているためすぐに判明します。

法令遵守の状況
評点
なし
指示をされた場合
−15
営業の全部若しくは一部の停止を命ぜられた場合
−30



福利厚生は手厚く!(労働福祉の状況)

 退職金や法定外の労災保険など、従業員に対する福利厚生を充実させることで加点されます。経営的には固定費(人件費)の増大につながり、決して望ましいことではないですが、経営審査上は手堅く得点しておきたいところです。


建設業退職金共済制度

 独立行政法人勤労者退職金共済機構との間で、特定業種退職金共済契約を締結している場合に加点されます。ただし、加入証明書があっても、下請契約を行っていて下請業者への証紙の交付がない場合は、加入有とみなされない場合がありますのでご注意下さい。
 そもそも建設業退職金共済(建退共)の制度は、建設業の現場で働く「日雇労働者」を対象者とする退職金制度のことですが、入札参加資格申請等で日雇労働者以外の正社員に対しても加入が義務付けられている場合もあるようです。
 
 次に該当する者は加入できません。
・個人の場合、事業主及びその配偶者
・法人の場合、役員(従業員的性格の強い役員は加入可能。)及び事務専用社員。
・中退共に加入している者


退職一時金もしくは企業年金制度

 審査基準日において次のいずれかに該当する場合、加点されます。
(1)労働協約若しくは就業規則に退職手当の定めがあるか又は退職手当に関する事項についての規則が定めれられており、退職金の原資若しくは支払実績が確認できる。
(2)中小企業退職金共済法に規定する中小企業退職金共済契約を締結している。
なお、中退共は次に該当する者は加入できません。
・個人事業主の場合、事業主、その配偶者及び同一生計の家族従業員(事業主との間に雇用関係関係がある家族従業員は加入可能)
・法人の場合、役員(従業員的性格の強い役員は加入可能)
※建退共と中退共の両方に加入している場合は、中退共に全員加入していなくても、両方の制度で全従業員の加入が確認できれば制度有となります。
(3)所得税施行令に規定する特定退職金共済団体との間で退職金共済についての契約を締結している。
なお、特退共は次に該当する者は加入できません。
・個人事業主の場合、事業主及び同一生計親族
・法人の場合、役員(従業員的性格の強い役員は加入可能)
(4)厚生年金基金が設立されている。
(5)法人税法に規定する適格退職年金の契約を締結している。
(6)確定給付企業年金法に規定する確定給付企業年金を導入している。
(7)確定拠出年金法に規定する企業型年金を導入している。
なお、(1)〜(3)については試用期間(3年以上)を経過した従業員は全員加入していることが必要です。


法定外労働災害補償制度

 審査基準日において、(財)建設業福祉共済団又は保険会社等との間で、次の(1)〜(3)のすべての条件を満たす契約を締結している場合に加点されます。

(1)申請者と直接の使用関係にある職員だけでなく、全下請負人と直接の使用関係にある職員も対象とすること。
(2)業務災害だけでなく、通勤災害も対象とすること。
(3)少なくとも、死亡及び傷害等級1級から7級までを対象とするものであること。

なお、保険会社等の準記名式の普通傷害保険の場合は、原則として政府の労災保険に加入していなくてはならない。また、(社)熊本県建設業協会建築部会の建築労災共済のみの契約の場合は、建築一式工事及びそれに附帯する工事が対象であるため、それ以外の工事も施工する場合は、加入なしとなります。



休止期間にご用心(建設業の営業年数)

 営業年数とは、建設業の許可又は登録を受けてから営業を行っていた期間の年数です。年に満たない端数は切り捨ててください。次の表に当てはめて評点を求めます。ただし、営業休止期間は営業年数から控除しなくてはなりませんのでご注意下さい。

 なんらかの努力をして加点されるわけではありませんが、6年目からは35年まで毎年評点が上がっていきますので目標としてください。

営業年数
評点
35年以上
60
34年
58
33年
56
32年
54
31年
52
30年
50
29年
48
28年
46
27年
44
26年
42
25年
40
24年
38
23年
36
22年
34
21年
32
20年
30
19年
28
18年
26
17年
24
16年
22
15年
20
14年
18
13年
16
12年
14
11年
12
10年
10
9年
8年
7年
6年
5年以下



意外な盲点!防災協定の締結(防災活動への貢献の状況)

 審査基準日において、国、特殊法人等、地方公共団体との間で、防災活動に関する協定を締結している場合に加点されます。まずはお近くの建設業協会で防災協定についてお尋ね下さい。

なお、社団法人等の団体が国、特殊法人等又は地方公共団体との間に防災協定を締結している場合は、申請者が当該団体に加入し、かつ防災活動に一定の役割を果たすことが確認できる場合には、防災協定有りと扱われます。

防災協定の該当の有無についての考え方

・防災協定の具体的な内容については特に制限はありません。災害時の建設業者の活動義務について定めた協定であれば評価の対象となります。
・協定に基づく活動について、有償か無償かは問いません。ただし、協定自体が事実上の請負契約や期間委託契約とみなされるものは対象外となります。たとえば、協定において単価を定めている場合(明らかに実費相当と認められる場合は除く)や協定締結者を入札で決定しているような場合には原則対象外となります。
・複数の防災協定を締結している場合も重複加点は行われません。」
・「社団法人等の団体」について特に用件はなく法人格は必ずしも必要ありません。



事務員さんも頑張って!(建設業の経理に関する状況)

 建設業の経理に関する状況については、監査の受審状況と公認会計士等が評価の対象となります。
 このうち監査の受審状況では「会計監査人」を設置している場合に20点、「会計参与」を設置している場合に10点を加点。さらに公認会計士、公認会計士補、税理士、登録経理試験合格者(1級、旧建設経理事務士)の資格を持つ職員が、確認項目に沿って適正に経理処理を行っていることを確認した場合に2点加点されます。

 会計監査人や会計参与の設置は中小企業ではなかなか難しいものがあるかもしれませんが、登録経理士1級については十分可能だと思います。ご検討下さい。登録経理試験の詳細はこちら

監査の受審状況
評点
会計監査人の設置
20
会計参与の設置
10
経理処理の適正を確認した旨の書類の提出
なし

 また、公認会計士等の数は、公認会計士、公認会計士補、税理士、登録経理試験1級合格者については、1人当たり1点。登録経理試験2級合格者については、1人当たり0.4点が加点されます。公認会計士等の評点は、これら職員の合計点数を、以下の年間平均完成工事高別の評点テーブルに当てはめて算出します。

年間平均完成工事高
公認会計士等数値
10点
8点
6点
4点
2点
0点
600億円以上 13.6以上 10.8以上
13.6未満」
7.2以上
10.8未満
5.2以上
7.2未満
2.8以上
5.2未満
2.8未満
150億円以上600億円未満 8.8以上 6.8以上
8.8未満
4.8以上
6.8未満
2.8以上
4.8未満
1.6以上
2.8未満
1.6未満
 40億円以上150億円未満 4.4以上 3.2以上
4.4未満
2.4以上
3.2未満
1.2以上
2.4未満
0.8以上
1.2未満
0.8未満
 10億円以上 40億円未満 2.4以上 1.6以上
2.4未満
1.2以上
1.6未満
0.8以上
1.2未満
0.4以上
1.2未満
0.4未満
  1億円以上 10億円未満 1.2以上 0.8以上
1.2未満
0.4以上
0.8未満
           1億円未満 0.4以上

 ほとんどの中小企業の年間完成工事高は10億円未満だと思いますが、登録経理試験2級合格者が一人いるだけで6点加点されます。年間完成工事高が1億円未満だとなんと10点も加点されます。

 登録経理試験2級の合格率は46.7%ですからそんなに難関の試験ではないように思われます。是非、チャレンジしてみましょう!登録経理試験の詳細はこちら



これは無理!?(研究開発の状況)

 研究開発の状況については、審査対象年とその前年の研究開発費の額の平均額を表引きして計算します。ただし、対象となるのは、会計監査人設置会社に限定されています。

 

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